[お話を伺った方]前列右:鎌田 裕子理事(人事企画部長)前列左:斉藤 浩次長(法人本部 総務部次長 兼 庶務課長 )後列:睡眠改善プログラム推進メンバーの皆さま課題|多くの職員が夜勤を含むシフト勤務に従事し、睡眠に課題を抱えている職員の割合が高かった—ねむりの応援団導入前の課題を教えてください。聖隷福祉事業団では、医療・福祉の現場で多くの職員が夜勤を含むシフト勤務に従事しており、日々の業務の中で睡眠が不規則になりやすい環境にあります。長時間勤務や夜勤後の生活リズムの乱れにより、十分な睡眠時間を確保しづらい職員も多く、睡眠の質が低下することで、心身の健康や業務パフォーマンスに影響を及ぼすことが懸念されていました。健康診断やストレスチェックの結果、約8割の職員が睡眠不足や睡眠の質に課題を感じていることが明らかになり、さらに同業種と比較しても睡眠時間が平均を下回っていることが分かったため、組織として睡眠改善に取り組む必要性を強く感じていました。—鎌田理事は過去に看護師として医療現場に携わる中で睡眠の重要性を実感されていたのでしょうか?そうですね。私自身、ストレスを感じたり、生活リズムが乱れると、まず影響が出るのが睡眠でした。そのため、睡眠の重要性を強く実感しています。睡眠とメンタルヘルスには相関性があり、眠れないことはメンタルヘルス不調の初期症状と言えます。これまでの職員との面談でも「眠れていますか?」と質問し、個々の状態を確認することを重視してきました。また、近年はコロナ禍で離職者が増えたこともあり、医療・介護業界は慢性的な人手不足に直面しており、看護職への負荷も一層大きくなっています。そうした中で、しっかりと睡眠をとり、日々の疲労を回復することが、心身の健康を維持する上で欠かせないと考えています。導入理由|トライアルで睡眠計測を実施し、データを通じて睡眠改善の効果を確認—ねむりの応援団導入の決め手を教えてください。ねむりの応援団は、睡眠を可視化し、職員ごとに適した改善提案が受けられる「ねむりの改善プログラム」が大きな魅力でした。単なる情報提供ではなく、個々の状況に合わせた具体的なアドバイスが得られるため、自分ごととして取り組みやすいと感じました。また、実際に睡眠センサーを敷いて計測してみたのですが、自分の睡眠状態が可視化されることで、ストレスの影響が睡眠にどのように表れるのかを改めて実感しました。さらに、トライアルで実際に睡眠の質が向上し、プレゼンティーイズムの改善にもつながることが分かりました。こうしたサービス活用の効果を実感できたことで、納得して本格導入を決意することができました。活用方法|ねむりの応援団の導入で、職員への睡眠改善の機会提供と組織全体の睡眠リテラシーの向上をめざす—ねむりの応援団の活用方法を教えてください。聖隷福祉事業団全体にねむりの応援団の導入を周知し、「自身の睡眠を改善したい」と感じている人を中心に参加者を募っています。これまでにプログラムを受けた方の多くは、夜勤のある職種の方々です。プログラム参加者の間では、枕や布団などの寝具に関する情報交換が活発に行われたり、プログラムの経過について話し合ったりするなど、睡眠についての話題が自然と広がっています。こうした交流を通じて、事業団全体に睡眠リテラシーが高まることも期待しています。期待する効果|ねむりの応援団で睡眠改善の支援体制を仕組み化、組織全体の効果的な健康経営の実現に期待—サービスに期待する効果を教えてください。今後は、この取り組みを継続する中で、睡眠に悩む人が改善するまでの流れを「仕組み化」していきたいと考えています。例えば、睡眠センサーを活用し、睡眠状態を計測した上で、「要注意群」「睡眠改善指導が必要な群」 といった形で体系的に分類し、それぞれに適したサポートができる仕組みを整えていくなどです。ねむりの応援団を活用することで、睡眠改善による疲労回復に加え、メンタルヘルス不調や将来的なバーンアウトのリスクを低減していきたいと考えています。睡眠改善を行うことで職員全体の健康意識が向上し、職員が長く元気に働きがいを持って働き続けられる組織へと発展することを期待しています。※掲載内容は取材当時のものです。