柳沢正史教授監修・自宅で取り組める睡眠改善サービス「SOMNO+」はこちら自分がショートスリーパーかセルフ診断してみようショートスリーパーは、短い睡眠時間でも、問題なく日常生活を過ごせる体質の人を指します。ショートスリーパーの特徴や定義を解説するので、自分が当てはまるかセルフチェックしましょう。ショートスリーパーの特徴以下の特徴にすべて当てはまる場合は、ショートスリーパーと判断されるでしょう。目覚まし時計を使わなくても、毎日6時間未満の睡眠で、スッキリ目が覚める日中に眠気が生じることはない集中力・判断力など、仕事の能率はまったく問題ない昼寝をしなくても、1日快適に過ごせる睡眠に影響する病気や薬の影響ではない真のショートスリーパーとは真のショートスリーパーは、意図的に睡眠時間を削っているのではなく、特定の遺伝子変異によって体質的に短い睡眠になることが、米国カルフォルニア大学の研究で報告されています。真のショートスリーパーは、平日・休日に関係なく、短時間睡眠でもアラームなしで起床できて、朝の目覚めは良好です。眠気覚ましにカフェインを摂ったり、昼寝やうたた寝をしたりしなくても、仕事や作業のパフォーマンスに影響はありません。睡眠障害国際分類において、ショートスリーパーは「正常範囲の異型」と定められ、病気ではないとされています。短時間睡眠であっても、健康を損なったり寿命が短くなったりすることはないのです。ショートスリーパーの有名人歴史上の人物や著名人のなかにも、ショートスリーパーといわれる人がいます。歴史上の人物では、ナポレオン・エジソン・森鴎外・野口英世が、3時間~4時間睡眠だったといわれています。しかし、ナポレオンとエジソンは、実際のところ昼寝をしていたという研究報告も。現代では、イギリス元首相サッチャー氏・アメリカ元大統領トランプ氏が、4時間ほどの睡眠だといわれています。自分に合った睡眠時間を知ろう現在、ショートスリーパーのような短時間睡眠の人も、適切な睡眠時間は異なるかもしれません。自分に合った睡眠時間の見つけ方や、睡眠時間のほかに気をつける点について確認しましょう。適切な睡眠時間の見つけ方適切な睡眠時間の見つけ方は、次の手順で進めていきます。はじめに何時間眠るか決めて、できるだけ毎日同じ時間に起床・就寝するようにしましょう。設定した睡眠時間を、少なくとも1週間続けて、日中の眠気など生活上の支障が無ければ、その時間が適切であるためキープすると良いです。日中の眠気やうたた寝などがあれば、睡眠時間を30分ほど延ばしてみましょう。一方で、布団に入ってもすぐに寝つけなかったり早く目覚めたりするときは、設定した睡眠時間から減らしてみます。調節した睡眠時間で、再び1週間ほど過ごしましょう。1~3の手順をくり返し、日中の眠気や仕事のパフォーマンスに影響が生じなくなった睡眠時間が、適切だといえるでしょう。睡眠時間だけではなく質にも注意十分な睡眠時間を維持することは大切ですが、睡眠の質も、日中にトラブルなく過ごせるかを左右します。質の高い睡眠をとるために注意することは以下のとおりです。毎日同じ時間に起床し、朝日を浴びる日中は適度に体を動かす就寝直前の食事は控える入浴を就寝1時間~2時間前に済ませる寝る前のカフェイン・アルコール・タバコは控える就寝1時間前から、テレビやスマートフォンの画面を見ないようにする寝室の温度・光・音などの環境を整える関連記事:質の高い眠りをサポート!睡眠を深くする7つの方法こんな症状には要注意!ショートスリーパーではなく睡眠不足かも自分はショートスリーパーだと思っている人でも、以下のような症状がみられる場合は、睡眠時間が足りないのかもしれません。日中に眠気が起こり、昼寝やうたた寝をしている集中力が続かず、仕事がはかどらないカフェインを摂らないと、頭がスッキリしない休日に寝だめをしているショートスリーパーは遺伝子の影響によって、短時間の睡眠でも支障を来さない体質です。そのため、短時間睡眠を続けている大半の人は、ショートスリーパーではない可能性があります。一般の人が、訓練や努力で短時間睡眠にしても、睡眠負債を抱えることになるでしょう。睡眠時間を削って「ショートスリーパー」を名乗る7つのリスクショートスリーパーではない人が、睡眠時間を削って過ごすと、心身に悪影響を及ぼします。睡眠不足になると生じる、7つの健康リスクについて見ていきましょう。認知力・判断力の低下睡眠不足が続くと、認知機能が悪化することが分かっています。5時間に満たない睡眠を7日間続けると、飲酒運転と同レベルまで脳の機能が低下するため、仕事のミスや事故が増える可能性があるでしょう。また、6時間に満たない睡眠が14日間ほど続くと、認知機能が丸2日徹夜したのと同じ状態まで低下することが研究報告されています。学習能力の低下睡眠不足になると、睡眠後半の浅いノンレム睡眠や、レム睡眠が減少。レム睡眠には、記憶を定着させたり、日中に起きた情報を整理したりする働きがあります。レム睡眠が減ると、記憶や情報の整理が十分行われないため、仕事の能率が下がることが分かっています。メンタルの不調睡眠不足が続くと、うつ病の発症リスクが上昇します。気分の落ち込み・感情の不安定・意欲の低下が起こりやすいためです。5日間ほどの睡眠不足でも、ネガティブな感情に過敏に反応しやすくなるといわれています。睡眠不足が1年以上続くと、うつ病になるリスクが40倍に跳ね上がることが調査報告されています。肥満のリスク寝不足が続くと、肥満になる危険性を上昇させます。2日間ほど寝不足になっただけで、食欲をコントロールするホルモンの分泌が乱れて食欲が増進。それによって過食になり、肥満になりやすいのです。睡眠が5時間より短い人では、肥満になる危険性が上昇すると調査で示されています。関連記事:痩せない理由は睡眠不足!ダイエット成功のための理想の睡眠時間生活習慣病のリスク睡眠不足や睡眠の質が悪いケースでは、高血圧・糖尿病・脂質異常症など、生活習慣病になりやすいことが分かっています。寝不足の人は、睡眠が7時間程度の人と比べて、2型糖尿病を引き起こすリスクが高くなります。たった1日の睡眠時間を削っただけでも血圧は上昇するため、不眠が長続きすると、高血圧を引き起こす割合が約2倍になるのです。心血管疾患のリスク寝不足になると、心血管疾患を引き起こす危険性が高まります。睡眠不足の人は、6時間以上寝ている人と比べて、心筋梗塞や狭心症などの心疾患を引き起こす危険性が、約4~5倍に上昇するのです。50歳未満で不眠症の人は、脳卒中の発症リスクが最大4倍になるという論文報告があります。免疫力の低下睡眠時間が足りない状態が続くと、免疫細胞の活性が低下することが分かっています。寝不足の人は、8時間以上寝ている人と比べて、風邪をひく割合が2.94倍と報告されています。加えて睡眠効率が低いと、風邪をひく割合はさらに上昇するのです。訓練してもショートスリーパーになれない!適切な睡眠時間を確保しよう真のショートスリーパーは、ある遺伝子の変異によって、短時間睡眠でも日常生活に支障を来さず過ごせる体質です。意図的に睡眠時間を削って過ごしても、ほとんどの人はショートスリーパーになれません。睡眠不足が続くと、仕事のパフォーマンス低下やメンタルの不調などを引き起こすため、適切な睡眠時間を保ちましょう。自分に合った睡眠時間を見つけるのが難しいと感じる場合は、専門家への相談をおすすめします。NTT PARAVITA「ねむりの応援団」は、従業員の睡眠改善サポートを提供する、法人向けサービスです。ねむりのパーソナルトレーナーが、睡眠状況が改善するまで伴走するプランもあります。従業員に睡眠不足の症状がみられるときは、睡眠改善サービスを活用し、早めに対策しましょう。参考資料:すぐにわかる「ねむりの応援団」3点セット