柳沢正史教授監修・自宅で取り組める睡眠改善サービス「SOMNO+」はこちら関連記事:すぐできる!朝スッキリ目覚めが良くなる習慣化したい9つの方法朝日を浴びることで期待できる6つの効果朝日を浴びると、健康づくりに期待できる効果が6つあります。どのような効果が期待できるか、メカニズムとともに確認しましょう。睡眠の質が高まる朝日を浴びると、夜に睡眠ホルモンが十分に分泌されるため、睡眠の質が高くなるといわれています。朝起きてすぐに太陽の光が目に入ると、光の刺激が目から脳に信号が伝わり、脳内で「セロトニン」というホルモンの分泌が促されます。セロトニンは夜になると、睡眠ホルモンと呼ばれる「メラトニン」に作り変えられ、自然な眠りを誘うようになるのです。メラトニンには、夜間の睡眠リズムを調整する働きもあります。朝日をしっかり浴びて、セロトニンを生成しておくと、夜にメラトニンの分泌量が増えることで、心地よい眠りが得られるでしょう。ストレス軽減につながる朝日を浴びることでセロトニンの分泌量が増えると、ほかの神経の働きをコントロールすることで、ストレス軽減につながるといわれています。セロトニンには、喜びや快楽にかかわる神経伝達物質の「ドパミン」や、恐怖や不安にかかわる神経伝達物質の「ノルアドレナリン」などを調整する働きがあります。しかし、セロトニンの分泌量が減少すると、これらの神経伝達物質のバランスが乱れて、イライラしたり気分が落ち込むなど、精神状態が不安定になるのです。また、日光を浴びる時間が少ないと、セロトニンの分泌量が減ることで、うつ病のリスクが高まることが分かっています。リラックス効果が得られる朝日を浴びてセロトニンの分泌が促進されると、神経の興奮を抑えることで、リラックス状態へ導くといわれています。セロトニンは、別名「幸せホルモン」と呼ばれ、イライラや焦りなどのネガティブな感情を抑えて、気持ちを安定させる作用があります。気持ちが安定すると、自律神経の働きも整いやすくなるため、心身ともに緊張感がほぐれるでしょう。免疫力があがる朝日を浴びると、体内のコレステロールからビタミンDが作られるようになります。ビタミンDには、さまざまな作用がありますが、免疫機能を調整する作用もあるのです。2008年から2009年にかけて日本で行われた調査で、ビタミンDを摂取している人ほどインフルエンザの発症率が低くなることが報告されています。また、米国コロラド大学救急医療科によって行われた研究では、血液中のビタミンD濃度が低いと、呼吸器感染症になる割合が36%高いと報告されました。太陽の光を浴びて、ビタミンDの生成を促すと、免疫力の向上に役立つでしょう。骨や歯が強化される朝日を浴びることで、ビタミンDが生成されるようになります。ビタミンDは、食事で摂ったカルシウムとリンの吸収を促したり、骨を作る細胞の働きを助けたりすることで、骨や歯を強くします。近年は、紫外線によるダメージを避けるため、日光を浴びる時間が減少傾向にあることが一因となり、ビタミンD不足が指摘されているのです。ビタミンDが不足すると、骨粗しょう症や骨軟化症を引き起こしやすくなります。美肌効果が期待できる朝日を浴びると増加するビタミンDは、肌に対しても良い効果が期待されています。ビタミンDを作るために必要な日光浴の時間は、紫外線による肌のダメージを心配するほどではありません。ビタミンDは、肌のうるおいやハリを保つ「コラーゲン」の生成にかかわっています。またビタミンDには、肌の炎症を抑えたり、外部の刺激から守ったりする働きがあるため、肌の老化を防ぐ効果が見込めるでしょう。睡眠の質を最大限に高める日光浴のポイント朝日を浴びることで質の高い睡眠につなげるには、太陽を浴びる時間や浴び方に注意が必要です。睡眠の質を高める日光浴のポイントを3つにわけて解説します。起床後30~60分以内に日光を浴びる朝起きたら、できるだけ早く朝日を浴びるようにしましょう。起床後30分〜60分以内に日光を浴びるのがおすすめです。起床後すぐに朝日を浴びると、体温を上昇させたり代謝を上げたりする作用をもつホルモンの「コルチゾール」の分泌が促され、体が活発に動けるようになり、日中の集中力アップにつながります。朝にコルチゾールが適切に分泌されると、夜になるにつれて分泌量が減っていき、体が睡眠の準備を行うのです。5分~20分間日光を浴びる日光浴の時間は、少なくとも5分~20分行うようにしましょう。晴れた日と曇りの日では、日光浴の推奨する時間に違いがあります。晴れの日は5~10分日光を浴びる晴れた日の朝は、5分~10分間日光を浴びると効果的です。時間にゆとりがあれば、長くなっても構いません。散歩をしたり、屋外で朝食を食べたりして過ごすのも良いでしょう。曇りの日は15~20分日光を浴びる曇りの日は、差し込む日差しが弱いため、晴れの日よりも、日光浴の時間を増やす必要があります。目安は15分~20分程度です。雨の日で屋外に出られない場合は、室内でできるだけ明るい照明を使うようにしましょう。窓越しではなく外に出て日光を浴びる朝日を浴びるときは、窓越しではなく、実際に外へ出るようにしましょう。窓ガラスは、睡眠の質を高めるのに必要な、光線の多くを遮ってしまい、効果が期待できなくなります。外で太陽や光を見るときは、直接見るのは避け、必要に応じて目を閉じたり瞬きをしたりして目を保護してください。日光浴の効果を最大限に高める朝習慣日光浴と一緒に行うと、相乗効果が期待できる朝の習慣を3つ紹介します。取り組みやすいものから始めてみましょう。朝食ではたんぱく質を積極的にとる朝食では、たんぱく質が豊富なメニューを取り入れると、睡眠の質の向上につながるでしょう。たんぱく質には、アミノ酸の1種「トリプトファン」が含まれています。朝食時に摂取したトリプトファンから、日中にセロトニンが生成されて、夜になると睡眠ホルモンのメラトニンに作り変えられるのです。朝にトリプトファンを十分に摂取すると、就寝前のメラトニンの分泌量が安定することが期待できます。柑橘系の香りで交感神経を刺激する柑橘系のなかでも、レモンやグレープフルーツのようなスッキリした香りは、目覚めを助けると期待されています。朝食時にグレープフルーツを食べたり、レモンの精油を活用したりして、香りを楽しみましょう。柑橘系のほかに、フレッシュで爽快な香りをもつハーブの、ペパーミント・ローズマリー・レモングラスも、目覚めを良くするといわれています。ヨガやストレッチで身体を温めて交感神経を刺激する朝にヨガやストレッチを行うと、体温が上がることで、目覚めがスッキリするでしょう。体が温まると、リラックス時に優位になる「副交感神経」から、心身が活動しているときに優位になる「交感神経」へ切り替わるのを促してくれます。さらに、朝に軽い運動を行うと、血行が促進して内臓の働きも活発になるため、目覚めが良くなります。関連記事:安眠への第一歩!睡眠の質を高めるヨガ朝の日光浴で体内時計をリセットする習慣をつけよう朝起きてすぐに日光浴を行うと、光の刺激によって体内時計がリセットされて、心身がスッキリ目覚めます。目覚めが良くなると、夜に向けて睡眠にかかわるホルモンが作られたり、日中の気分が安定したりして、その日の夜の寝つきが改善するのです。良い睡眠につながる日光浴は、起床後30分~60分以内、1日5分~20分程度行いましょう。窓越しではなく、屋外に出て日光を取り入れるのが効果的です。朝の日光浴とともに、朝食にたんぱく質を摂ったり、軽い運動を行ったりすると相乗効果が期待できます。心地よい睡眠をとるために、毎朝の日光浴を習慣づけましょう。