柳沢正史教授監修・自宅で取り組める睡眠改善サービス「SOMNO+」はこちら睡眠と生活習慣の見直しでテストステロンの分泌の促進ができるテストステロンの分泌は1日の中で変動しており、早朝にピークを迎えるといわれています。また、睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンや成長ホルモンなど、私たちの健康を支えるホルモンは夜間に分泌が増えるため、夜には睡眠をしっかりとることが重要です。また、食事や運動などの生活習慣にも気を配りましょう。バランスの良い食事を心がけ、適度な運動を取り入れることで、テストステロンの分泌が促進されます。参考:男性更年期障害(加齢性腺機能低下症、LOH症候群)|日本内分泌学会テストステロンの分泌を促進する睡眠と生活習慣の改善ポイントテストステロンの分泌を促進するには、生活習慣の中で以下4つの点を見直すことが重要です。睡眠時間は7〜8時間確保する栄養バランスのとれた食事を心がける運動習慣をつける心と体をリラックスさせる習慣をつけるそれぞれのポイントについて、詳しくみていきましょう。睡眠時間は7〜8時間確保するテストステロンの分泌を促進するためには、毎日7〜8時間の睡眠時間を確保しましょう。毎日7〜8時間の睡眠を確保することで、体内時計のリズムが整い、ホルモンの分泌が規則的におこなわれるようになるためです。私たちの体には、体温やホルモンの分泌を24時間周期で調整する体内時計が備わっています。この体内時計は、一定のリズムで睡眠を取ることで整えることが可能です。特に、7〜8時間の十分な睡眠を毎日同じ時間帯に取ることが、体内時計のリズムを安定させます。さらに、質の高い睡眠を得るためには、自分の眠りの深さを把握することも大切です。主観的・客観的な判定方法については、こちらの記事で詳しく説明していますので、ぜひご覧ください。関連記事:眠りが深いか確かめる方法。主観的・客観的な判定で得る理想の睡眠参考:体内時計(たいないどけい)|e-ヘルスネット|厚生労働省参考:快眠と生活習慣|e-ヘルスネット|厚生労働省栄養バランスのとれた食事を心がける睡眠によって休息感を得るためには、食事の質も重要です。健康な体を維持し、充実した睡眠につなげるためにも、栄養バランスの整った食事をとりましょう。特にテストステロンの分泌を促進するには、タンパク質・亜鉛・ビタミンDの摂取をおすすめします。主な食品を、下表にまとめました。栄養素食品ビタミンD かつお,鮭,サンマ,ブリ,まいわし,しらす干し(半乾燥),きくらげ(乾燥)亜鉛牡蠣,牛肩ロース,牛もも肉,牛レバー,鶏レバー,ビーフジャーキープロセスチーズタンパク質 鶏ささみ,牛もも肉,豚ロース,いわし丸干し,卵,納豆マグネシウムあおさ,わかめ,切り干し大根,ほうれん草,アーモンド,カシューナッツ参考:Manipulation of Dietary Intake on Changes in Circulating Testosterone Concentrations|Nutrients 2021, 13(10), 3375参考:食品成分データベース|文部科学省また、バランスのとれた食事は、良質な睡眠をとることにもつながります。普段の食事内容を振り返り、不足している栄養素があれば意識して摂りましょう。関連記事:睡眠に良い栄養素って?食事で睡眠リズムを整えよう運動習慣をつける運動習慣をつけることは、テストステロンの維持や増加を目的とする予防策の一つとして有効だといわれています。運動で筋肉が刺激されると、血液中のテストステロンの数値が高くなることがわかっています。ウォーキングやジョギングなど、負担が少ない有酸素運動を週に3〜5日、1日に20〜30分程度続けるのが理想的です。運動習慣をつけることは、テストステロンの分泌を増やすだけでなく、睡眠の質も向上させます。運動は、1日だけでなく毎日続けることで、日中の覚醒度が上がり、夜間のより深い睡眠へとつながります。習慣づけのためには、自分自身が楽しめる運動をすることも大切です。無理に運動をしたり、苦痛を感じながら運動をすることは、長続きしないばかりか、ストレスにもなりかねないため避けましょう。関連記事:寝る前の運動で睡眠の質を上げる!寝つきを良くする3つの運動習慣参考:Exercise increases serum testosterone and sex hormone-binding globulin levels in older men|Metabolism. 1996 Aug;45(8):935-9心と体をリラックスさせる習慣をつけるリラックスすると副交感神経が優位になり、テストステロンが分泌されやすくなるといわれます。逆に一晩徹夜をすると2、3日はテストステロンが下がったままになります。また、心と体をリラックスさせる習慣は、心身の健康を保つ上でも大切です。例えば、お風呂にゆっくりと浸かり、香りの良いアロマオイルを使用すると、心地よいリラックス感を得られます。また、深呼吸するのもおすすめです。鼻から深呼吸をして、お腹を膨らませながら吐き出します。心と体をリラックスさせる習慣を生活に取り入れて、健康な生活を心がけましょう。不眠対策のために避けたい生活習慣生活習慣は睡眠の質に大きく影響を与えるため、場合によっては快眠を妨げる原因となることがあります。不眠対策のためには、以下の生活習慣は避けましょう。夕方以降のカフェイン摂取パソコン・スマートフォンを使ってのネットサーフィンやゲーム寝る前のアルコール摂取喫煙テストステロンが減少すると更年期障害になりやすい男性ホルモンであるテストステロンは、減少すると更年期障害になりやすいことがわかっています。男性更年期障害とは、男性ホルモンであるテストステロンの減少により、心身にさまざまな症状が現れる病気です。「LOH症候群(加齢男性性腺機能低下症候群)」とも呼ばれます。ここでは、男性更年期障害の症状と年齢別の男性ホルモンの変化について解説します。参考:更年期症状・障害に関する意識調査(結果概要)|厚生労働省男性更年期障害の症状男性更年期障害は、男性ホルモン(テストステロン)の減少により生じる症状のことです。男性更年期障害で起こる症状は、大きく分けると身体と心の二種類に分けられます。身体的な症状としては筋力の低下や全身のだるさ、顔面のほてりや発汗などがあります。一方、心の症状には気力の衰えや集中力の低下、イライラや怒りっぽさなどが現れる人が多いようです。男性更年期障害の症状は、男性ホルモンの減少により発生し、それぞれの人によって表れ方や程度は異なります。そのため、自分で「男性更年期障害」と判断するのはむずかしいです。自分の体調に異変を感じたら、医療機関の受診を検討しましょう。年齢別の男性ホルモンの変化男性ホルモンは20歳から25歳頃までにピークを迎えます。50歳を過ぎるとテストステロンの分泌量は加齢とともに減少し、男性更年期障害などの症状が出現することがあります。減少のスピードや度合い、時期は人によってさまざまです。また、女性の場合は閉経後5年前後で症状が落ち着くといわれますが、男性の場合は特に終わりがなく、時期も定まっていません。年齢に関係なく、男性ホルモンのバランスを保つことで健康な体を維持することが重要だと言えるでしょう。参考:男性更年期障害(加齢性腺機能低下症、LOH症候群)|日本内分泌学会睡眠の質を高めてテストステロンの分泌を活性化させようテストステロンの分泌は、睡眠と生活習慣に大きく影響されます。質の高い睡眠を確保するためには、7~8時間の睡眠時間を守り、体内時計を整えることが重要です。また、バランスのとれた食事と適度な運動も欠かせません。特にタンパク質・亜鉛・ビタミンDの摂取が効果的です。心地よく眠るためには、カフェインの摂取や寝る前のスマートフォンの使用は控えることをおすすめします。毎晩しっかりと休息をとり、体内時計を整えてテストステロンの分泌を活性化させましょう。