柳沢正史教授監修・自宅で取り組める睡眠改善サービス「SOMNO+」はこちら美肌を保つ上で睡眠が欠かせない理由美肌を保つのに、睡眠時に分泌される2つのホルモンが深くかかわっています。1つは睡眠を促すメラトニンです。メラトニンには強力な抗酸化作用があり、細胞の新陳代謝を促したり活性酸素を減らしたりして、老化を防ぐと考えられています。もう1つは、ノンレム睡眠時に分泌される成長ホルモンです。成長ホルモンは、皮膚のターンオーバーを促して紫外線などのダメージから回復する働きがあります。さらに成長ホルモンは、コラーゲンやヒアルロン酸など皮膚のハリや潤いを保つ成分の生成にかかわっているのです。睡眠不足が肌にもたらす悪影響睡眠不足になると、成長ホルモンやメラトニンの分泌量が減ることが知られています。成長ホルモンが減ると、肌のターンオーバーの周期が乱れるため、古い角質が排出されずに残ります。くり返されることで、シミやくすみの原因になるのです。またコラーゲンやヒアルロン酸の生成が減って、肌が乾燥しやすくなります。メラトニンが減ると、活性酸素が増えて細胞にダメージを受けやすくなるため、皮膚の老化が早まる可能性があります。海外の調査報告で、睡眠不足の人は皮膚の老化スコア・水分保持・バリア機能が低下し、紫外線にあたった後に生じた紅斑の回復も遅くなることが示されています。美肌におすすめの睡眠時間米国の国立睡眠財団のガイドラインでは、成人の睡眠時間は7~9時間と推奨しています。少なくとも7時間以上の睡眠を確保できるようにしましょう。睡眠時間だけでなく、睡眠の質も重要です。成長ホルモンは、睡眠前半の深いノンレム睡眠のときに分泌量がもっとも多くなります。この時間帯に質の高い睡眠が得られると、成長ホルモンがしっかり分泌されるのです。質の高い睡眠には、メラトニンも関係しています。メラトニンには、寝つきを良くしたり睡眠を維持したりする作用があります。メラトニンが正常に分泌されるように、生活リズムを整えることが大切です。美容に良い睡眠をとるための3つの生活習慣美容に良い睡眠には、睡眠の質を上げることが大切です。質の高い睡眠をとると、メラトニンや成長ホルモンの分泌量が安定し、肌トラブルが少なくなります。睡眠の質を上げるために、生活習慣で気をつけることを3つ紹介します。朝日を浴びる美容に良い睡眠には、抗酸化作用のあるメラトニンが正常に分泌されることが重要です。メラトニンの分泌は、光を浴びることで調整されます。調整には、太陽の光がもっとも効果的です。メラトニンは朝日を浴びると分泌が止まり、14~16時間後に再び分泌が始まります。分泌量が増えてくると眠りへ導くようになり、夜間にメラトニンが多く分泌されることで質の高い睡眠が得られます。トリプトファンの多い食品をとるトリプトファンは摂取すると、体内で変化してメラトニンを生成する材料になります。トリプトファンは体内で合成されない必須アミノ酸で、食事からとる必要があるのです。不足すると、睡眠不足や睡眠の質の低下につながることがわかっています。トリプトファンの多い食品には、乳製品・大豆製品・卵・牛肉・豚肉・バナナがあります。軽い運動を行うウォーキングや軽いランニングなどの有酸素運動を行うと、睡眠の必要性が高くなるため、寝つきがよくなり深い眠りが得られます。睡眠の質が上がると、成長ホルモンが十分に分泌され、肌の回復に役立ちます。1日きりの運動では効果が薄く、定期的に行った方が良いです。質の高い睡眠のためには、運動を夕方から就寝3時間前までに行いましょう。就寝1時間以内の運動は、神経が興奮してしまい寝つきが悪くなるため注意してください。併せて読みたい:スキンケアの正しい順番を細かく解説!朝と夜で順番は変えるべき?睡眠美容のために避ける3つのポイント美容に良い睡眠のために、避けた方が良い生活習慣を3つ紹介します。寝る前のカフェイン・アルコールを控える就寝の3~4時間前から、カフェインやアルコールの摂取は控えましょう。カフェインには覚醒作用と利尿作用があり、睡眠が浅くなったり途中で目が覚めたりする原因となります。アルコールは寝つきを良くしますが、睡眠の質は下がるため注意が必要です。寝室でスマートフォンの操作をしないスマートフォンから発するブルーライトは、光のエネルギーが強く、就寝前に目に入るとメラトニンの分泌を抑えることが分かっています。メラトニンの分泌量が減ると、寝つきが悪くなったり眠りが浅くなったりする原因になります。就寝1~2時間前からスマートフォンの操作を控えましょう。関連記事:睡眠トレーナーが実践!スマホコントロール術夕食は就寝3時間前までに済ませる夕食は就寝3時間前までに済ませると良いです。食後3時間ほど経つと、交感神経から副交感神経に切り替わりリラックスするため、入眠を助けます。夕食を就寝直前にとると、寝ている間も食べ物の消化が続き、睡眠の質が下がるため注意しましょう。睡眠の質を上げることは美肌への近道!美容のためには、睡眠時間を十分にとり、睡眠の質を上げることが大切です。良い睡眠によって、メラトニンと成長ホルモンがしっかり分泌されるため、肌の老化を防いだりターンオーバーを促したりして美肌を保つことにつながります。NTT PARAVITA「ねむりの応援団」では、従業員の睡眠改善のためにコンテンツ配信・睡眠計測・インストラクターのアドバイスなどのトータルサービスを提供しています。睡眠施策を取り入れたいと考えている場合は、専門家によるサービスの利用を検討しましょう。参考資料:「ねむりの応援団」サービス資料参考文献・体内時計と睡眠のしくみ | 体内時計を調節するホルモン、メラトニン|体内時計.jp|武田薬品工業株式会社・成長ホルモンが出なくなるとどうなる?|成人の成長ホルモン分泌不全症|ファイザー株式会社・白土真紀.運動が及ぼす皮膚への影響~健康美肌の観点から~.体力科学.2022年71巻1号p.134・Clin Exp Dermatol. 2015 Jan;40(1):17-22.・快眠と生活習慣 | e-ヘルスネット(厚生労働省)・Effects of a tryptophan-free amino acid drink challenge on normal human sleep electroencephalogram and mood. Bhatti T、 Gillin JC, Seifritz E, et al. Biol Psychiatry. 1998;43:52–59.・睡眠健康を保つために(国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 睡眠・覚醒障害研究部)・4-2 睡眠の質と明日のパフォーマンスにつながる夕食メニュー|はたらく×らいふ プロジェクト|あんしん財団・免疫力を高めるには、「自律神経」と「腸内環境」を整えよう|大正製薬