柳沢正史教授監修・自宅で取り組める睡眠改善サービス「SOMNO+」はこちら睡眠ゴールデンタイムにまつわる噂を検証睡眠ゴールデンタイムにまつわる噂はいくつかあります。これまで真実だと思われていたことが誤りだったこともあるため、詳しくみていきましょう。「22時から2時」が睡眠のゴールデンタイムというのは本当?睡眠ゴールデンタイムは、眠りがもっとも深く成長ホルモンが多く分泌される時間帯です。これまでいわれてきた「22時から2時」といった決まった時間ではなく、人によって異なります。昔は多くの人が22時ごろに就寝できていたため、22時から2時ごろが睡眠ゴールデンタイムといっても間違いではありませんでした。現在は生活スタイルが多様になり、睡眠時間もさまざまになったため、睡眠ゴールデンタイムはその人次第になります。成長ホルモンの分泌は時間帯に関係ない?成長ホルモンは、限られた時間だけ分泌されるのではありません。量を変えながら、1日を通して分泌されています。成長ホルモンがもっとも多く分泌されるのは、睡眠前半のノンレム睡眠のときです。それにより睡眠で疲労回復が進みます。 真の睡眠ゴールデンタイムとは?睡眠前半のノンレム睡眠で成長ホルモンの分泌がもっとも盛んになる時間帯が、睡眠ゴールデンタイムです。具体的には、入眠開始から3~4時間程度までになります。前半のノンレム睡眠の時間帯に質の良い睡眠をとると、成長ホルモンが十分に分泌されて、細胞や組織の修復が行われます。睡眠不足であったり質が悪かったりすると、成長ホルモンの分泌量が下がるため、疲労が残りやすくなります。睡眠のゴールデンタイムが健康へ与える効果睡眠ゴールデンタイムに良質な睡眠がとれると3つのメリットがあります。関連記事:心と体の健康を維持するには?睡眠・運動・食事の三要素について解説 体の疲労回復睡眠ゴールデンタイムに深い眠りが得られると、身体の疲労回復ができます。疲労回復には、成長ホルモンが深くかかわっています。成長ホルモンには、ダメージを受けた細胞や組織を修復する働きがあるのです。睡眠ゴールデンタイムを良い状態で過ごせると、成長ホルモンがしっかり分泌されるため、疲れがとれて生き生きと活動することができます。記憶の定着日中の出来事に対して記憶を定着させるのに、睡眠ゴールデンタイムは重要です。睡眠ゴールデンタイムでは深い眠りのノンレム睡眠が現れ、その際に記憶の整理が行われます。ノンレム睡眠には、日中に身につけた体験の記憶を定着させる働きと、不要な記憶を消去する働きの2つがあります。質の高い睡眠をとると、脳に集められた情報が整理されるため、翌日には集中力や判断力が回復します。メンタル面の安定睡眠ゴールデンタイムが十分確保できると、メンタル面の安定につながります。睡眠不足が続くと、脳の働きがうつ病や不安障害の患者と同じようになり、気分の落ち込みやイライラ感が生じることがわかっています。睡眠ゴールデンタイムを確保できると、ストレスホルモンの「コルチゾール」の分泌量が安定するため、心身に強い負荷がかかっても、ストレスに対応できるようになるのです。睡眠ゴールデンタイムの効果を高める方法睡眠ゴールデンタイムの効果を得るために、睡眠の質を高める方法を3つ紹介します。食生活に気をつける睡眠と食生活には深いかかわりがあります。睡眠の質を高めるためには、夕食時間に気をつけると良いです。就寝時間近くに食事をとると、食べ物の消化が続いたまま眠ることになり、深い睡眠が得られなくなります。夕食は就寝3時間前までに済ませましょう。寝る前のカフェイン摂取は、脳が覚醒してしまい睡眠の質を下げてしまいます。カフェインを摂取してから効果が弱くなるまで4時間前後かかるため、夕方以降に緑茶・コーヒー・チョコレートなどカフェイン入りの飲食物をとるのは控えましょう。睡眠環境を整える寝室の照明や温度に気を配ると質の高い睡眠につながります。寝る前に強い光が直接目に入ると、光の刺激で脳が興奮して眠りにくくなるため、間接照明を選ぶと良いです。また照明だけではなく、寝る前のスマートフォンの使用にも注意してください。スマートフォンから発するブルーライトを浴びると睡眠を促すホルモンの分泌が減ってしまい、睡眠の質が下がります。就寝1~2時間前からスマートフォンの使用は控えてください。寝室の温度は、寒すぎても暑すぎても睡眠の質が下がるため、エアコンなどを利用して調整しましょう。夏場は28℃前後、冬場は16〜20℃を目安にすると良いです。NTT PARAVITA「ねむりの応援団」を活用するNTT PARAVITA「ねむりの応援団」では、睡眠の質を改善するための総合的なサービスを提供しています。提供しているサービスは以下のとおりです。睡眠にかかわる知識を身につけるためのコンテンツ配信センサー付き薄型シートを使用した睡眠データ計測睡眠インストラクターなど専門家による睡眠改善アドバイス睡眠インストラクターによるアドバイスは、睡眠状況が改善するまで継続して行うのが特長になっています。参考資料:「ねむりの応援団」サービス資料睡眠ゴールデンタイムは「質」が大切!心と体をしっかり回復させよう睡眠ゴールデンタイムとは、睡眠前半のノンレム睡眠で成長ホルモンがもっとも多く分泌される時間です。睡眠ゴールデンタイムに良い睡眠がとれると、疲労回復・記憶の定着・メンタル面の安定など心身にメリットがあります。仕事でタスクをこなすのに時間がかかったり、ケアレスミスが目立ったりする場合は、睡眠の質に問題がある可能性があります。従業員の生産性低下が気になるときは、専門家による支援サービスを利用してみてはいかがでしょうか。参考資料・ノンレム睡眠 | e-ヘルスネット(厚生労働省)・田ヶ谷浩邦.睡眠関連ホルモンの計測.生体医工学.46(2):169-176,2008・44. Spiegel K, Leproult R, Colecchia EF, et al: Adaptation of the 24-h growth hormone profile to a state of sleep debt. Am J Physiol Regul Integr Comp Physiol. 279: R874-883, 2000・睡眠時間と成長ホルモンの分泌量 |Web医事新報・睡眠不足で不安・抑うつが強まる神経基盤を解明|国立精神・神経医療研究センター・第1回 「睡眠と記憶について/基本的な睡眠とは」|甲南大学