柳沢正史教授監修・自宅で取り組める睡眠改善サービス「SOMNO+」はこちら質の高い睡眠に必要なこととは?質の高い睡眠を得られると、目覚めたときに体を十分休められたという感覚があります。しかし睡眠で休養感が得られないと、疲れが残り日中の活動量が減ってしまいます。日中の活動量が少ないと、睡眠をとる必要性が減るため、寝つきが悪くなったり眠りが浅くなったりするのです。質の高い睡眠を得るには、体内時計と副交感神経を整えることが必要です。体内時計は眠りのリズムを調整し、副交感神経は寝つきや身体の回復に関係しています。次から体内時計と副交感神経を整える具体的な方法についてみていきましょう。睡眠環境の改善質の高い睡眠には、寝室や寝具などの睡眠に直接かかわる環境を見直すことが肝心です。寝室の環境を整えるベッドや布団を敷く場所は、外気からの影響を受けやすい窓際を避けます。部屋が暑すぎても寒すぎても睡眠の質が下がるため、夏場は28℃前後、冬場は16〜20℃に室温を調整しましょう。部屋の明るさも睡眠と深くかかわっています。寝室の明かりは、目に対して刺激の少ない電球色がおすすめです。また、電球や蛍光灯など光源が直接目に入ると、刺激で脳が起きてしまうため、寝室は間接照明を選びましょう。適切な寝具を選ぶ枕やマットレスが体に合っていないと、寝心地が悪くなり、睡眠の質が低下します。枕やマットレスには、首から腰にかけて立ち姿に近い自然な状態になるよう調節する役割があるのです。枕は、後頭部から首にかけてのすき間に合った高さのものを選ぶと、肩や首への負担が少なくなります。マットレスや敷布団を選ぶときは、仰向けに寝たときに、立っている姿勢と同じ状態をキープできるか確かめてみるとよいでしょう。生活習慣の見直しで睡眠改善毎日の何気ない生活習慣が睡眠の質に影響しています。以下のポイントについて見直しましょう。朝日を浴びる朝日を浴びることで、体内時計をリセットできます。体内時計に深くかかわるのは「メラトニン」というホルモンです。メラトニンは強い光を感じると分泌が止まり、体を目覚めさせて活動できるようにします。メラトニンは、分泌が止まってから14〜16時間後に再び分泌が始まり、眠りを誘う働きがあるのです。たばこやカフェイン摂取に気をつける就寝前のたばこ・コーヒー・緑茶などは、寝つきが悪くなったり途中で起きたりするなど睡眠に悪影響を与えます。たばこに含まれるニコチンや、コーヒー・緑茶などに含まれるカフェインに覚醒作用があるためです。また喫煙年数が長い人では、日中のパフォーマンスを低下させる睡眠時無呼吸症候群を発症するリスクが上昇します。寝る前にブルーライトを浴びないパソコンやスマートフォンから発するブルーライトはエネルギーが強いため、見続けていると睡眠を促すメラトニンの分泌を抑えてしまい、寝付きが悪くなったり眠りが浅くなったりします。就寝1~2時間前からパソコンやスマートフォンの使用は控えることをおすすめします。リラックスタイムで睡眠改善副交感神経の働きが優位になると、リラックスして眠りにつけるようになります。副交感神経を整える方法は次の2つです。入浴時間に気をつける体温と睡眠には、深いかかわりがあります。日中活動しているときは体温が高く、就寝時間が近づくと深部体温が下がり、睡眠モードに入るのです。入浴を活用して体温を調整すると、寝つきや睡眠の質が改善します。湯温は38~40℃が適しています。入浴のタイミングは、就寝時間から近すぎたり遠すぎたりすると効果がありません。就寝2~3時間前の入浴が理想的です。関連記事:良い睡眠をとるための入浴方法とは?ヨガや腹式呼吸をおこなうヨガや腹式呼吸には、リラクゼーション効果により心身の健康を向上させます。海外の研究で、睡眠に問題のある人たちが8週間にわたり毎日ヨガを続けたところ、睡眠時間や睡眠の質について改善があったと報告されています。規則正しい生活で睡眠改善体内時計のリズムを整えるのに規則正しい生活は欠かせません。次の3つに気を配りましょう。睡眠時間は長くとり過ぎない厚生労働省は「健康づくりのための睡眠ガイド2023 」において、成人の適正睡眠時間は6~8時間としています。平日の睡眠不足を休日に取り戻そうと「寝だめ」をすると、体内時計がずれて時差ボケを起こした状態になり、かえって健康を損なう可能性があります。また睡眠時間が10時間以上の人は、循環器疾患の死亡リスクが上昇するというデータがあり注意が必要です。1日3食きちんと食べる1日の食事を規則正しくとることで、体内時計を整えられます。特に、朝食はきちんと栄養をとることで体温が上がるため、眠気が覚めて日中の活動に備えられるのです。夕食が就寝時間に近すぎると、寝ている間も食べ物の消化活動が続くため、眠りが浅くなってしまいます。夕食は就寝時間の3時間前までに済ませましょう。安眠をサポートする栄養素や食材に関する内容はおうちdeまるはちさんのコラムにも詳しく書いてあるので、ぜひチェックしてみてください。眠りと食事の話適度な運動をする適度な運動による疲労は、睡眠の必要性が高くなるため、寝つきがよく深い眠りが得られます。運動する時間がない場合は、通勤や職場で車の利用を控えたり階段を利用したりするなど、体を動かす時間を増やしましょう。激しい運動は就寝3時間前までに済ませるとよいです。就寝直前に行うと体が興奮してしまい、睡眠の質が下がるため注意してください。睡眠の質を改善することが心身の健康を保つポイント!質の高い睡眠には、体内時計と副交感神経を整えることが必要です。睡眠の質が改善すると十分な休養感が得られて、心身の健康維持につながります。NTT PARAVITAが提供する「ねむりの応援団」では、ねむりのチェックやねむりの相談室など、従業員の睡眠改善に向けたお手伝いをしております。従業員の健康を守ることは、企業において欠かせないことのひとつです。仕事のパフォーマンスにもつながる睡眠改善サポートに取り組んでみましょう。参考:「ねむりの応援団」サービス資料参考資料:快眠と生活習慣 | e-ヘルスネット(厚生労働省)室温と高血圧、睡眠の関係 - e-健康づくりネット(厚生労働省)温度、湿度と睡眠 | NCNP病院 国立精神・神経医療研究センターカフェインと睡眠 | NCNP病院 国立精神・神経医療研究センター睡眠健康を保つために(国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 睡眠・覚醒障害研究部)リラクセーションYOGA|ポジシェア|こころの耳(厚生労働省)古宮 昇.ヨガの心理的効果についての調査研究.カウンセリング研究 44 (2), 110-117, 2011