柳沢正史教授監修・自宅で取り組める睡眠改善サービス「SOMNO+」はこちら関連資料:健康づくり担当者は必ず知っておきたい! 見逃しがちな損失コストとは!?5時間睡眠が続くとさまざまな不調の原因に日々の睡眠時間が5時間の人は、月100時間の残業をしているのと同等といわれています。過労死ラインと言われる月80時間以上の残業を超えるレベルで非常に危険です。5時間睡眠になると、免疫力の低下・ホルモン分泌量の乱れ・脳の働きの低下などが起こり、さまざまな体調不良の引き金となります。適正な睡眠時間には個人差があるものの、成人の睡眠時間は6時間以上を目標にするよう厚生労働省が指針案を取りまとめています。睡眠不足の影響によって引き起こされる病気とは睡眠不足の影響によって発症する主な病気には以下のものがあります。生活習慣病心臓病や脳卒中などの循環器疾患うつ病それぞれについて研究報告を交えて詳しく解説します。生活習慣病睡眠不足になると、食欲を抑えるホルモンの分泌が減り、食欲を増進させるホルモンの分泌が増えるため、肥満のリスクが上昇します。肥満になると、血糖値・血圧・中性脂肪が上昇するなどメタボリックシンドロームにつながる可能性が高くなるのです。睡眠不足は、血糖値を下げるインスリンの働きも低下させるため、血糖値が上がり糖尿病のリスクが高くなります。睡眠不足が続くと、自律神経のバランスが乱れて緊張状態になることで血圧が上昇することが分かっています。心臓病・脳卒中睡眠時間が6時間未満の人は、心筋梗塞や狭心症、脳卒中の発症リスクが上昇するという研究報告があります。睡眠不足により体内のホルモンバランスが乱れ、肥満・高血糖・脂質異常症のリスクが高くなることが理由のひとつです。肥満・高血糖・脂質異常症は、動脈硬化を進行させる原因となり、心臓や脳の血管を傷つけるため、心臓病や脳卒中を発症しやすくなります。うつ病4時間半ほどの睡眠が5日間続くと、不安障害やうつ病の患者さんと同じような脳の働きになり、気分が不安定になったり抑うつ状態になったりするという研究報告があります。さらにうつ病疑いのある人やうつ病患者の25%以上は、睡眠時間が5~6時間未満という調査報告が過去にされていて、睡眠不足がうつ病発症のリスク要因だといわれています。睡眠不足が仕事に与える影響とは睡眠不足が続くと仕事にも影響を与えるため、企業にも不利益になることが多くあります。どのような影響があるのか具体的にみていきましょう。ケアレスミスが増える睡眠不足が続くと脳の働きが悪くなるため、集中力や注意力などが低下し、ミスが多くなることが分かっています。5時間睡眠が1週間続くと、血中アルコール濃度0.1%相当の体調になるため、酔っぱらった状態で仕事をしていることになります。睡眠不足のときは判断力も落ちているため、タスクをこなすのに通常より時間がかかることも指摘されています。コミュニケーション力が下がる睡眠不足の人では抑うつ症状や不安感が強くなるなど、メンタル面の不調が現れることが分かっています。やる気が起きなくなったり、イライラしやすくなったりして、従業員同士のコミュニケーションに支障が出ることが示唆されています。休職や離職のリスクが高まる睡眠不足の人は、心臓病・脳卒中・うつ病にかかりやすいと言われています。これらの病気を発症すると、長期にわたる休養が必要になるケースが多くみられます。病気により休職や退職する人が増えると、人材確保のためのコストがかかったり、業務のスキルや経験が活用できなかったりするなど生産性が下がることが指摘されています。さらに、一緒に働いていた同僚が休職や退職によりいなくなることで、ほかの従業員のモチベーション低下も懸念されています。関連記事:社員のメンタル不調をどう防ぐ?職場で今すぐ実践すべきメンタルヘルス対策を解説 睡眠不足の影響でみられる症状チェック日々忙しく過ごしていると、睡眠不足を自覚できていないことが意外と多くあります。睡眠不足が続いたときによくみられる症状を5つ挙げました。日中に居眠りをしてしまうしょっちゅうあくびが出るきちんと寝たはずなのに体がだるいやる気が出ない、気持ちが沈む仕事で細かいミスが増えてきたこれらの症状がひとつでも当てはまる人は、睡眠がきちんと取れているか注意が必要です。NTT PARAVITAが提供している「ねむりの応援団」では、睡眠について相談・コンテンツ配信・アドバイスを行っております。睡眠改善サービスを利用して、体とこころの不調を未然に防ぎましょう。まとめ 睡眠改善のサポートを行って企業力を高めよう!睡眠不足は、ホルモン分泌の乱れ・免疫力の低下・脳の機能低下を引き起こすため、生活習慣病やうつ病など、さまざまな体調不良の原因となります。また、睡眠不足が仕事に与える影響には、ミスが多くなる・コミュニケーション力が下がる・休職や離職するリスクが高まるなどがあり、企業の生産性を低下させることにつながるのです。従業員が病気を発症したり、仕事効率が下がったりするのを防ぐために、睡眠改善のサポートに取り組み、企業力の向上に活かしましょう。参考資料:睡眠からアプローチ! 企業の生産性向上の方法とは?参考・睡眠と生活習慣病との深い関係 | e-ヘルスネット(厚生労働省)・脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会報告書 令和3年7月・Sleep Med. 2017 Nov:39:87-94・Health and Behavior Sciences 14 (2), 2016, 75-84・Scand J Work Environ Health. 2011 Sep;37(5):411-7・睡眠不足で不安・抑うつが強まる神経基盤を解明|国立精神・神経医療研究センター・令和5年版過労死等防止対策白書・PLoS One. 2010 Feb 5;5(2):e9087・Harvard Business Review. 2006. “Sleep Deficit: The Performance Killer”