はじめに《以下の内容はNTT PARAVITA(槇林)の講話を要約したものとなります》NTT PARAVITAってどんな会社なのかご存知ない方もいらっしゃると思いますので、簡単にご紹介させていただきます。「睡眠を良くすることで、病気になりにくい社会の実現をめざす」ことを目標に、ICTを活用して地域の抱える社会課題の解決に取り組むNTT西日本と、医療・介護ベッド及びマット型睡眠センサーで国内トップシェアを誇るパラマウントベッドの2社で設立された合弁企業です。睡眠時間とGDPの相関日本人は睡眠時間が足りていないと言われてます。実際、睡眠不足による経済損失が年間15兆円に上ります。経済損失を減らすためにも、睡眠改善で生産性を向上させ、健康経営を加速させるということが弊社のめざしているところでもあります。睡眠とGDPについて非常に強い相関が示されています(スライド1)。睡眠時間が長いほど国民一人あたりのGDPが高くなっていくのが分かるかと思います。OECD加盟国の中で日本は睡眠時間が最下位です。これから日本はどうしたら良いのか?今より30分睡眠が取れれば他国を抜き返すことができるのではないでしょうか。【スライド1】睡眠と疾病の関係睡眠不足は5大疾病全てのリスクを高めます。がんにおいては発症リスクが40%高まりますし、精神疾患においてもうつ病の発症リスクは4倍とも言われています。最近よく言われるのが、認知症と睡眠の相関が非常に強いということです。今後の社会保障費を下げていくという観点からも、質の高い睡眠をとることが重要と言えるでしょう。睡眠と企業における生産性ここからは企業における生産性と睡眠との関係をお伝えします。「睡眠で十分休養が取れていない」と感じている従業員の生産性は下がると言われており、経済産業省によると一人当たり年間約32万円の損失コストとなるデータが示されています。また、モチベーションや集中力が下がるといったことだけではなく、クリエイティビティが欠如するといったところも睡眠と強い相関がございます。近年では、エンゲージメント調査をされている企業さまも結構いらっしゃるのではないでしょうか。こちらが丸井グループさんで毎年計測してるエンゲージメント調査結果です(スライド2)。「良い睡眠が取れている」従業員と「良い睡眠が取れていない」従業員でどのくらいエンゲージメントに差があるのかを示しています。実際に15ptほど差があり、ワークエンゲージメントを高めていくポイントはシンプルで寝ることにあります。【スライド2】(引用:丸井グループ「活力×基礎のウェルネス経営とは」)アマゾンの創始者であるジェフ・ベゾス、マイクロソフトの元CEOであるビル・ゲイツ……。成功を収めたビジネスリーダー達は疾うに気づいておりまして、忙しくても睡眠を大事にしています。なぜかというと、リーダーの睡眠がよくなることによって自身のパフォーマンスとともに、チームとしてのパフォーマンスも上がるからです。上司が睡眠不足だと、圧制的な振る舞いをする可能性が高まり、部下たちの仕事への専心度が低下する。上司の元で働くメンバーは、睡眠を重視する上司の部下に比べて約25分睡眠時間が短いなどチームの成果も損なっていること等、各研究から分かっています。チームのパフォーマンスを上げていくためには、管理者も含めて質の高い睡眠をとって、クリエイティビティやワークエンゲージメントを高めていくことが求められます。睡眠の質を高める方法しっかり睡眠をとるにはどうしたらいいのか?というところで弊社の睡眠改善が有効だと考えております。パラマウントベッド社が開発したシート型の睡眠センサーをマットレスの下に敷くだけで日々の睡眠を可視化できます。可視化したデータを元に、弊社の睡眠改善メソッドを習得したパーソナルトレーナーがオンラインで睡眠のアドバイスをすることによって睡眠改善するといったサービスをご提供しています。どのように改善するのか、実例でご説明いたします。アテネ不眠尺度と言われる世界共通の不眠症の判定方法がございます。8つの質問に対する回答を最大24点で数値化し、不眠度を測定します。点数が高いほど不眠の疑いが強まり、6点を超えると医師への相談を検討が勧められる度合いとなっております。弊社ではヘルスケアの領域で介入させていただいております。30代男性の睡眠状況をデータで示しています。左が睡眠改善前の睡眠です(スライド3)。【スライド3】寝ている時間は青色、起きている時間は黄色の判定がつく仕様となっております。21時頃からベットで横になっていること、寝ている途中で起きてしまっていることが黄色の睡眠から推測されます。実際に話を聞いてみると、ベットでテレビを見ながら寝落ちしてしまうということでした。この男性についてオンラインでの面談の中で、眠くなってから横になる中途覚醒時に時計を見ないといったことをアドバイスさせていただきました。右側がアドバイス後の睡眠データになりますが、青色の部分が増えてしっかり睡眠が取れるようになりました。主観としてもアテネ不眠尺度が11点から2点に下がったという結果が出ています。企業における睡眠改善メリット実際に睡眠改善を行った場合のメリットや企業へどのように効果が還元されるかが気になるところだと思います。プレゼンティーズムとワークエンゲージメントの改善、健康増進という形で還元できると考えております。そしてここからは、寝れば寝るほどストレス値が下がるということをご紹介させていただきます。いろんな企業さんとお話させていただくのですが、ストレスチェックを実施すると高ストレスと判定される方がどの企業さんでも10%程度存在している印象です。高ストレス者の対策というのは皆さんお困りだと思います。私どもとしてはこのように考えています。ストレスに対する生体反応というのは非常にシンプルで、ストレスを感じると交感神経が優位になって睡眠不足や睡眠の質の低下が起こります。そうするとぐっすり眠れないので、脳が休まらず、脳が休まらなければストレスを余計感じるようになります。私たちのアプローチとしては、ストレス原因というものは一旦切り離して考えて、ストレスに対してシンプルに睡眠改善をします。睡眠の質が高まって、脳が休まってストレスを低減してくれる。そうすると同じストレスであっても、ストレスを感じにくくなり、副交感神経が優位になり、余計に眠れるようになる。それを繰り返すことによって、よりストレスを感じにくい脳にしていくんです。睡眠改善の効果1とある高ストレス者が多い企業で睡眠改善を実施したデータになります(スライド4)。左側を見てください。横軸がアテネ不眠尺度で右にいくほど不眠度が高く、縦軸がストレスチェックの心身のストレス(B項目)の項目となっており、上にいくほどストレスがかかっています。グリーンの枠で囲っている部分が、睡眠が取れていてストレスもかかっておらず、健全ゾーンとしています。ストレスと不眠の相関についてですね、アテネ不眠尺度の点数が高い人ほど、心身のストレスも高い傾向がみられます。プログラム実施後の相関をみていただくと、健全エリアに近づいていることが分かると思います。合わせて、目の疲れや疲労感を低減させていることが数値として表れてきています。【スライド4】睡眠改善の効果2NTT西日本の高ストレス者22名に睡眠改善を行なってもらった結果、翌年15名が高ストレスの判定から外れました。68%の割合で効果が出ているという事例でございます。また、アテネ不眠尺度においても7.4点(平均)で不眠症の可能性が疑われる6点を超えるラインだったところが、5.5点まで下げることができました。企業の健康経営を行う上で、健康の3大要素を取り入れて施策を実施されていると思います。行動変容を促すことが難しいと言うことをみなさん実感されていると思うのですが、改善のしやすさからも睡眠が良いと考えています。食習慣については、何らかの我慢が生じます。運動については、運動習慣がない人に促してもなかなか続かないことがあります。睡眠については、我慢も不要で良くなることばかりです。質の高い睡眠をとることで人的資本投資が効果的に回ると考えております。睡眠改善メソッド実際にどんなアドバイスをするのかは動画でご紹介いたします。%3Ciframe%20width%3D%221280%22%20height%3D%22720%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fembed%2FR6msy8gw45M%22%20frameborder%3D%220%22%20allow%3D%22accelerometer%3B%20autoplay%3B%20encrypted-media%3B%20gyroscope%3B%20picture-in-picture%22%20allowfullscreen%3E%3C%2Fiframe%3E睡眠デバイスが様々発売されていて、睡眠が注目されています。弊社では睡眠計測に加えて、計測データを元にねむりのパーソナルトレーナーがその人の生活スタイルや環境に応じて寄り添ったアドバイスとアクションプランを立てます。ここが大きな睡眠改善のポイントになってきます。おわりに企業で睡眠改善を採用いただいた場合に、費用対効果が気になるところだと思います。企業の担当者様にアンケートを実施しておりまして、費用対効果の満足度も70%と高評価をいただいております。「ねむりこそ未病ケア」だと思っておりまして、今回は睡眠改善がいかに健康経営に貢献できるかをご紹介させていただきました。