健康経営優良法人をおさらい!健康経営優良法人とは?健康経営優良法人とは、日本健康会議において“優れた健康経営を実践している企業”として認められた法人を指し、健康経営優良法人認定制度は経済産業省が実施している顕彰制度のひとつです。健康経営優良法人には「大規模法人部門」と「中小規模法人部門」の2種類があり、優良な健康経営を行う上位500社をそれぞれ「ホワイト500」「ブライト500」と呼んでいます。健康経営優良法人に認定されると、健康経営優良法人の認定ロゴマークが自社のホームページや名刺、ハローワークの求人などで使用でき、労働市場へのアプローチや企業イメージ向上に役立てることが可能です。そのほか、「従業員のモチベーションアップ」「労働生産性の向上」「組織の活性化」などのメリットも期待できます。健康経営優良法人認定後の実際の効果4つさまざまなメリットが期待されていますが、健康経営優良法人に認定されると、実際どのような効果があるのでしょうか?「心幸ホールディングス株式会社」が行った「健康経営の効果に関する実態調査」を元に、健康経営優良法人認定後の実際の効果を4つ紹介します。出典:心幸グループ https://www.shinko-jp.com効果1. 75.3%が社内労働生産性の向上を実感「健康経営優良法人取得後、社内の労働生産性の向上を感じられていますか。」の問いに対し、「非常にそう思う」が34.7%、「ややそう思う」が40.6%、合わせて75.3%の人が労働生産性の向上を実感しています。効果2. 63.4%が社内の欠勤率低下を実感「健康経営優良法人取得後、社内の欠勤率の低下を感じられていますか。」の問いに対し、「非常にそう思う」が32.7%、「ややそう思う」が30.7%、合わせて63.4%が社内の欠勤率低下を実感しています。効果3. 73.3%が社内の健康診断の数値改善を実感「健康経営優良法人取得後、社内の健康診断の数値改善を感じられていますか。」の問いに対し、「非常にそう思う」が32.7%、「ややそう思う」が40.6%、合わせて73.3%が社内の健康診断の数値改善を実感しています。効果4. 64.3%が「社内の医療費の軽減」を実感 「健康経営優良法人取得後、社内の医療費の軽減を感じられていますか。」の問いに対し、「非常にそう思う」が28.7%、「ややそう思う」が35.6%、合わせて64.3%が医療費の軽減を実感している健康経営優良法人の認定を受け、「労働生産性の向上」「欠勤率の低下」「健康診断の数値改善」「医療費の軽減」の4つが実際の効果として報告されています。健康経営が促進され、健康経営優良法人の認定にまでいたると、さまざまなメリットを実感できるという調査結果でした。健康経営優良法人に認定されるためのポイント健康経営優良法人に認定されるためには、認定要件を満たす必要があります。健康経営優良法人認定2024の「大規模法人部門」「中小規模法人部門」それぞれの要件を見てみましょう。大規模法人部門での健康経営優良法人認定要件【8つの必須項目】・健康経営の方針等の社内外への発信・健康づくり責任者が役員以上・産業医・保健師の関与・健保組合等保険者との連携 ・健康経営の具体的な推進計画・受動喫煙対策に関する取り組み・健康経営の実施についての効果検証・定期健診を実施していること、50人以上の事業場においてストレスチェックを実施していること、労働基準法または労働安全衛生法に係る違反により送検されていないこと、等【下記のうち13項目以上を選択】(1) トップランナーとして健康経営の普及に取り組んでいること(2) 従業員の健康診断の実施(受診率100%)(3) 受診勧奨の取り組み(4) 50人未満の事業場におけるストレスチェックの実施(5) 管理職又は従業員に対する教育機会の設定(6) 適切な働き方の実現及び育児・介護の両立支援の取り組み(7) コミュニケ-ションの促進に向けた取り組み(8) 私病等に関する復職・両立支援の取り組み(9) 保健指導の実施及び特定保健指導実施機会の提供に関する取り組み(10) 食生活の改善に向けた取り組み(11) 運動機会の増進に向けた取り組み(12) 女性の健康保持・増進に向けた取り組み(13) 長時間労働者への対応に関する取り組み(14) メンタルヘルス不調者への対応に関する取り組み(15) 感染症予防に関する取組(16) 喫煙率低下に向けた取り組み引用:ACTION!健康経営「健康経営優良法人2024(大規模法人部門)認定要件大規模法人部門で選ばれるためには、必須項目と選択項目の両方を網羅する必要があります。直近3年の健康経営度調査の回答数と認定状況令和2年令和3年令和4年対象の上場企業数3675社3731社3768社上場企業回答数970社1058社1127社未上場法人回答数1553法人1811法人2042法人回答法人数合計2523法人2869法人3169法人優良法人認定数1801法人2299法人2676法人上記は、健康経営優良法人認定に必要な情報を得るための「健康経営度調査」の回答・認定状況です。回答数・認定数共に増加傾向にあり、認定率(優良法人認定数/回答法人数合計×100)は、令和2年度で約71.4%、令和3年度で80.1%、令和4年度で84.4%となっています。中小規模法人部門での健康経営優良法人認定要件【7つの必須項目】・健康宣言の社内外への発信及び経営者自身の健診受診・健康づくり担当者の設置・(求めに応じて)40歳以上の従業員の健診データの提供・健康経営の具体的な推進計画・受動喫煙対策に関する取り組み・健康経営の取り組みに対する評価・改善・定期健診を実施していること、50人以上の事業場においてストレスチェックを実施していること、労働基準法または労働安全衛生法に係る違反により送検されていないこと、等【選択項目】<下記の(1)(2)(3)から2項目以上>(1) 定期健診受診率(実質100%)(2) 受診勧奨の取り組み(3) 50人未満の事業場におけるストレスチェックの実施<下記の(1)(2)(3)(4)から1項目以上>(1) 管理職又は従業員に対する教育機会の設定(2) 適切な働き方実現に向けた取り組み(3) コミュニケ-ションの促進に向けた取り組み(4) 私病等に関する復職・両立支援の取り組み<下記の(1)~(8)から4項目以上>(1) 保健指導の実施または特定保健指導実施機会の提供に関する取り組み(2) 食生活の改善に向けた取り組み(3) 運動機会の増進に向けた取り組み(4) 女性の健康保持・増進に向けた取り組み(5) ⾧時間労働者への対応に関する取り組み(6) メンタルヘルス不調者への対応に関する取り組み(7) 感染症予防に関する取り組み(8) 喫煙率低下に向けた取り組み引用:ACTION!健康経営「健康経営優良法人2024(中小規模法人部門)認定要件中小規模法人部門では、上記の必須項目と選択項目を満たす必要があります。健康経営度調査の実施は必要ではありませんが、認定基準に該当する具体的な取り組みを記載した申請書の提出が必要です。このように、大規模法人部門と中小規模法人部門では、認定要件に差があるので注意しましょう。ホワイト500やブライト500認定のための認定要件は上記の要件よりさらに厳しくなっています。認定を希望する場合は、細分化された項目をきちんと網羅できるよう確認しながら健康経営施策を進める必要があるでしょう。まとめ日本健康会議より特に優良な健康経営を実践している企業を認定する「健康経営優良法人」。健康経営優良法人認定後の実際の効果には、「労働生産性の向上」「欠勤率の低下」「健康診断の数値改善」「医療費の軽減」が調査結果として挙げられています。健康経営優良法人の認定要件は、大規模法人部門と中小規模法人部門で違い、チェック項目が細分化されているため、認定のためにはきちんと確認しながら健康経営施策を進めていく必要があるでしょう。