健康経営度調査とフィードバックシート健康経営度調査とは?健康経営度調査とは、「健康経営銘柄」の選定および「健康経営優良法人(大規模法人部門)」の認定のために必要な情報を得る調査のことです。健康経営度調査は、企業が自社の健康経営に対する理念や方針、組織体制、実施した施策とその評価・改善などの質問に回答する形で実施されます。健康経営度調査には回答期間が定められており、これまでは8月下旬~10月中旬に申請受付が行われ、審査期間を経て、翌年3月頃に健康経営銘柄および健康経営優良法人が発表されます。健康経営銘柄と健康経営優良法人の発表にともなって送付されるのが「フィードバックシート」です。フィードバックシートとは?フィードバックシートとは、健康経営度調査に回答した法人すべてに送付される成績表のようなものです。総合順位や各項目ごとの偏差値、健康経営優良法人の認定基準適合状況などが書かれています。過去に健康経営度調査を受けたことがある企業は、直近5回分の評価結果の変遷も載っているため、成果がひと目でわかりモチベーションアップや今後の施策や取り組みに活かせます。フィードバックシートは、自社だけでなく他社のものも閲覧可能で、特に同業他社のフィードバックシートからは学べることも多いでしょう。フィードバックシートの内容を詳しく!フィードバックシートは、①から⑨までの項目に分かれて評価結果や健康経営度調査で回答した内容が記されています。評価が記されている箇所は以下の5項目です。項目タイトル内容①健康経営度評価結果総合順位と総合評価②評価の内訳「総合評価」「経営理念・方針」「組織体制」「制度・施策実行」「評価・改善」の5つの側面を数値化③評価の変遷直近5回の評価結果④評価の詳細分析②の評価をさらに詳しく評価⑨具体的な健康課題への対応健康経営度調査における健康課題の分類と対応度合いを数値化フィードバックシートを確認することで、自社の健康経営への取り組みを客観視でき、次年度以降の施策に活かすことができます。フィードバックシートを活かす方法最後に、フィードバックシートの活かし方を見てみましょう。【1】自社の強みを確認しモチベーションアップにつなげる健康経営評価結果において、総合順位にまず目が行き、一喜一憂してしまうという場合は少なくないでしょう。しかし、前年度より順位が下がっていたとしてもあまり気にする必要はありません。総合順位は健康経営度調査を行った会社の総数に影響するうえ、施策を試行錯誤する中で下がってしまうことはよくあるからです。目を向けてほしいのは「②評価の内訳」。5つの側面がすべて数値化されているため自社の強みがひと目でわかります。まずは評価されている側面を見つけモチベーションアップにつなげましょう。さらに、どの項目が良かったのかを「④評価の詳細分析」で確認し、次年度の取り組みでブラッシュアップさせると良いでしょう。【2】自社の弱みを見つけて新たに取り組める施策を考える【1】とは逆に「②評価の内訳」で一番評価の低い側面にも注目してみましょう。次に、一番評価が低い側面の「④評価の詳細分析」から、さらに弱い部分を見つけます。「ウィークポイントは現在改善されつつあるのか」「手つかずの項目は何なのか」を見極め、次年度の取り組みに活かしましょう。手つかずの項目が多い場合、まずは予算をかけずにできる施策から始めるのがおすすめです。健康保険組合と共同で行うなど、探せば新たな予算をかけずに行える施策が見つかるはずです。【3】他社のフィードバックシートから学ぶ自社だけでなく他社のフィードバックシートもぜひ閲覧しましょう。「ACTION!健康経営」には、健康経営優良法人の大規模法人部門に認定された企業のフィードバックシートが業種ごとに開示されています。まずは同じ業種のフィードバックシートから確認するのがおすすめです。フィードバックシートの「⑨具体的な健康課題への対応」の中の「重点を置いている具体的な施策とその効果」には、その企業が行った施策と結果が記されているため、自社の施策に活かせる情報があるはずです。まとめ健康経営銘柄の選定や健康経営優良法人の認定で用いられている健康経営度調査。健康経営度調査を行った企業にはフィードバックシート(評価結果)が送付され、次年度の健康経営の取り組みに役立てることができます。評価の高い項目はブラッシュアップし、評価の低い項目は改善や新たな施策が必要です。他社のフィードバックシートも活用しながら、効率良く健康経営を進めていきましょう。