関連記事:メンタルヘルス対策は何をしたら良い?個人向け・企業向けの対策具体例6選メンタルヘルスとはメンタルヘルスとは、こころの健康状態を意味する言葉です。近年、メンタル不調者数は増加傾向にあり、生涯を通じて5人に1人がこころの病気にかかるとも言われています。こころの病気は、特別な人がかかるものではなく、誰でもかかる可能性があります。近年、メンタル不調者数は増加傾向にあり、生涯を通じて5人に1人がこころの病気にかかるとも言われています。こころの病気は、特別な人がかかるものではなく、誰でもかかる可能性があります。メンタル不調の要因こころの健康状態が悪化しているサインとしては「眠れない」「気分が沈む状態が続いている」などが有名ですが、実際には個人の資質や能力の他に、身体状況、社会経済状況、住居や職場の環境、対人関係など、様々な要因が影響しています。職場のメンタル不調要因の1位は「仕事の量・質」仕事や職業生活に関することで強い不安、悩み、ストレスを感じている労働者にその要因について尋ねた調査では「仕事の量・質」が最も多く、次いで「仕事の失敗、責任の発生等」、「対人関係」にストレスを感じている人が多いことがわかっています。メンタル不調による企業への影響従業員のメンタル不調が慢性的に続くと、企業に様々な影響を及ぼします。代表的な例として、主に以下の3つが挙げられます。 生産性の低下 欠勤、休職・退職リスク増大による労働損失 職場環境への影響生産性の低下従業員がメンタル不調に陥ると、気分の落ち込みや意欲の低下、脳の機能全体が落ちることによる集中力・記憶力・判断力の低下が生じるほか、メンタル不調の影響が様々な身体症状として現われます。その結果、従業員が本来の仕事のパフォーマンスを発揮することができず、本人をはじめ、職場全体の労働生産性の低下に影響を及ぼします。欠勤、休職・退職リスク増大による労働損失メンタル不調が慢性化すると、うつ病などの精神疾患に発展するおそれや、遅刻や欠勤、さらに休職・退職に至る場合があります。内閣府の調査では、仮に年収600円の会社員が6カ月休職した場合の会社側のコスト負担は422万円にものぼるとも言われており、多大な労働損失が発生します。職場環境への影響従業員のメンタル不調によって欠勤や休職が続いた場合、周囲の従業員はメンタル不調者の業務代替を行う必要があり、業務のしわ寄せが生じてしまいます。これによって、業務代替を行った社員のモチベーションが低下し、業務の生産性低下へとつながった場合は、職場環境全体に派生し、負のスパイラルに陥ってしまう可能性も考えられます。参考資料:健康づくり担当者は必ず知っておきたい! 見逃しがちな損失コストとは!?メンタル不調予防に向けて企業が取り組むべき対策メンタル不調は、本人の問題だけではなく、職場全体への派生も考えられることから、未然に予防を行うことが重要です。ここからは、メンタル不調予防に向けて企業が取り組むべき4つの対策をそれぞれご紹介していきます。 ストレスチェック カウンセリング マインドフルネス 睡眠改善(ねむりの応援団)ストレスチェック「ストレスチェック制度」は、ストレスに関する質問票(選択回答)に働く人が回答し、それを集計・分析することで、職場のストレス要因、心身のストレス反応、周囲のサポートなどを調べる簡単な検査で、2015年12月より労働安全衛生法にて50名以上の事業場に義務付けられています。従業員が自らのストレス状況を把握し、ストレスが高い場合は医師との面接を通して助言を受けたり、過度なストレス要因が職場にある場合は、会社が必要な措置を検討したり、職場環境改善につなげるための制度で、メンタルヘルス対策における一次予防として位置付けられています。ストレスチェック実施後は、診断結果をもとにストレス度合いの高い従業員を選定し、高ストレス者と判定された従業員には診断結果を通知する際に相談窓口の情報提供も合わせて行います。本人から申し出があった場合には医師による面接指導を行います。面接指導を受けるかどうかは、本人の意思に委ねられているため、面接指導を希望しない場合は社員のストレスが重篤化してしまう場合や企業にとっても重大なリスクに発展してしまうことも考えられます。ストレスチェックはあくまで社員自らのストレス状況の把握として活用されているケースも多く、高ストレス者への面接指導の実施率を上げることや、ストレス値の高い従業員へのケアを行うことがメンタルヘルス不調対策において重要になります。カウンセリング仕事や職場での人間関係などに強いストレスや悩みを抱えている場合に役立つのがカウンセリングです。カウンセリングでは、医師や専門のカウンセラーが個々が抱える心理的な悩みを聞き、こころの専門家としての視点から指導や援助を行うことで、相談者が自身の力で問題解決できるようサポートします。カウンセリングの形態は、対面、電話、ビデオ通話、チャット、メールなど様々。相談者の悩みに精通したカウンセラーに相談を行うことで、「自分の考え方のくせや意外な長所に気づくことができる」「今抱えている問題を整理できる」「考え方を今の状況に適したものに切り換えられる」などのメリットがあります。マインドフルネスマインドフルネスは、身体の五感に意識を集中させ「今、この瞬間」に注意を向けることでストレスやネガティブな思考から離れ、ありのままの自分を受け入れることを意味する言葉です。マインドフルネスの状態に導く手段として瞑想を行い、脳と心の休息を行います。マインドフルネスを通して精神が研ぎ澄まされることで、自分の強みや弱み、価値観や思考特性など自分の内面を見つめ、理解する力が養われます。継続することで従業員の脳を活性化させ、集中力アップやストレスを溜めにくくする効果などが得られます。睡眠改善(ねむりの応援団)ストレス度合いの高い従業員へのケアとして、おすすめしたいのが睡眠改善を通したメンタル不調対策です。睡眠不足・質の低下がメンタル不調の原因であることも…近年の研究結果では、眠れない状態が続くことでメンタル不調が引き起こされることがわかっています。不眠などの睡眠障害は、精神疾患の初期症状として出現しやすい症状であることが知られています。ストレス、落ち込み、不安などによりメンタルヘルスが損なわれることによって睡眠が乱れる場合と、睡眠不足・睡眠の質の低下により心身が病気にかかりやすい状況が続くことがメンタル不調を誘発する場合があり、睡眠とメンタルヘルスは双方に作用していることから、睡眠をケアすることは従業員のメンタル不調予防において効果的であると言えます。NTT PARAVITAでは、認知行動療法による睡眠改善メソッドで社員のメンタル不調対策をサポートしています。ねむりの改善プログラム参加者には、睡眠センサーから得られる情報を元に、個々のお悩みに応じてオンライン上でアドバイスを行います。メンタル不調の兆候が見られる従業員への改善事例NTT PARAVITAがメンタル不調の兆候が見られる従業員への睡眠改善を行ったところ、睡眠が改善した人は労働生産性においても改善が見られました。睡眠は心身の疲労回復だけでなく、日々のストレス・パフォーマンス向上にも効果があることが明らかになっています。参考資料:ねむりの応援団 サービス資料まとめ職場のメンタル不調対策は、従業員のストレス状況の把握と睡眠改善による未然予防がカギ本記事では、メンタル不調と職場で実践で実践いただきたい取り組みについてご紹介させていただきました。メンタル不調により従業員が休職した場合、企業に莫大なコストが生じることからメンタル不調を未然に防ぐ仕組み作りが重要です。近年の研究結果では、眠れない状態が続くことでメンタル不調が引き起こされることがわかっていることから、今回の記事でご紹介したようにストレスチェックによる従業員のストレス状況の把握と、ストレス度合いの高い従業員に対しては睡眠改善を通した個別のケアの実施をお薦めいたします。参考資料:従業員のメンタルヘルスケア 企業が行うべき対策とは?