柳沢正史教授監修・自宅で取り組める睡眠改善サービス「SOMNO+」はこちら1日の始まりは朝ごはんから食事は生体リズムの維持に重要で、 決まった時間に3度食事を取ることが望ましいとされています。内臓にある体内時計を動かすためには朝食が重要です。朝食を食べると消化管が動き出し、1日の始まりを身体へ合図します。体内リズムを整えていくことが、より良い睡眠につながります。 そして、1日をスタートさせるのに必要な燃料補給の役割も果たしています。前日の午後7時に夕食を取り、翌朝午前6時に起きるとすれば11時間も何も食べていないことになります。 起きてすぐにはお腹が空かないという人は、起床して90分の間に何か食べてみましょう。 トーストを2口、スムージーを1口、果物を1切れなど、少量でも構いません。毎日続けているうちに、トーストを1枚、スムージーを1杯、果物を1個、完食できるようになるでしょう。 朝食を取ることで日中のエネルギーを取り入れ、昼食時と夕食時にふたたび空腹感が得られます。 適切な時間に空腹になる為、身体に良くない不定期な時間に何かをつまみたくなったり、 疲れやだるさを感じにくなるはずです。睡眠に良い栄養素はあるの?睡眠の質向上のために重要な栄養素が「トリプトファン」です。 トリプトファンは体内では生産できないため食べ物から摂取しなくてはならない必須アミノ酸の一種です。例として下記の様な食品が挙げられます。トリプトファンを多く含む食材大豆製品(豆腐・納豆・味噌・しょうゆなど)乳製品(チーズ・牛乳・ヨーグルトなど)穀物(米)その他(バナナ・ごま・卵など)睡眠の質向上の鍵を握っていると言われているセロトニンや、メラトニンを作るもととなるからです。 セロトニンは脳内で働く神経伝達物質の一種で、精神や感情の働きを落ち着ける・和らげる効果があります。 メラトニンはホルモンの一種で、覚醒と睡眠を切り替える作用があります。 このメラトニンもまた、トリプトファンから体内で合成されます。メラトニンはトリプトファン→セロトニン→メラトニンに変わるまで15時間程度かかると言われるので、 朝食で摂ることが大切です。就寝前や仮眠時におすすめの栄養素「ストレスを低減する・睡眠の質を高める」と効果をうたうチョコレートを目にしたことはありますか? GABA(ギャバ)というアミノ酸の一種(γ-アミノ酪酸)が配合されています。GABAは、人間の脳の中にも抑制性の神経伝達物質として存在し、 脳内の神経興奮を鎮め、精神を安定させる重要な作用を担っています。 GABAを摂取することで眠れない症状や神経質・易怒性が軽減されることが報告された研究結果もあります。就寝前にぜひ摂取していただきたい栄養素になりますが、GABAの効果は2時間程度しか持続しません。 就寝前に食事をすると消化活動で安眠が妨げられてしまう可能性があるので、サプリメントでの摂取がおすすめです。夜はサプリメント・仮眠前にはGABAが含まれた食品を摂取するなど使い分けてみるのが良いでしょう。 また、GABA配合の食品やサプリメントが入手しにくい場合は、 カカオポリフェノールの多く含むチョコレートもストレス軽減が期待でき仮眠前にはおすすめの食べ物です。 ※ただし食べすぎには注意が必要です。引用文献・ニック・リトルへイルズ(2018)世界最高のスリープコーチが教える究極の睡眠術,ダイヤモンド社 ・日本理化学薬品会社「効果的なアミノ酸の摂取方法」 https://www.nipponrika.co.jp/amino/detail04/ (閲覧日2022/09/27)・藤林真美・神谷智康・髙垣欣也・森谷敏夫(2008)「GABA経口摂取による自律神経活動の活性化」 日本栄養・食糧学会誌 第 61巻,第3号,p.129-133 参考文献・日本睡眠改善協議会(2019)基礎講座 睡眠改善学 第2版・青峰正裕(2011)「脳内セロトニン放出増加とストレス緩和-カカオ成分の作用-」第16回チョコレート・ココア国際栄養シンポジウム