柳沢正史教授監修・自宅で取り組める睡眠改善サービス「SOMNO+」はこちら睡眠で食欲コントロール「つい無意識にたくさん食べてしまった」「気持ちとは裏腹に食欲を止められない」このような経験が皆さんもあるのではないでしょうか?食欲は、レプチン(食欲抑制ホルモン)とグレリン(食欲増進ホルモン)という2つのホルモンによってコントロールされています。 通常、必要なタイミングでグレリンの分泌が増し、ある程度栄養を摂取したらレプチンの分泌が増すというバランスが保たれます。 しかし、スタンフォード大学の調査では、8時間眠った人に対し、5時間睡眠の人はグレリンの分泌量が15%多く、レプチンは逆に15%少なかったといいます。人の体は睡眠不足だと食欲を感じやすいシステムになっているのです。睡眠不足で痩せにくい体質に⁉さらに睡眠不足は、基礎代謝を上げる働きのある「成長ホルモン」の分泌も抑えてしまうので、消費カロリーの低下に繋がります。 食欲が旺盛になるのに加え、食べたものを効率よく消化してくれない体質を自ら作り上げてしまうことにもなるのです。睡眠で食べる内容も変わる?シカゴ大学のEve Van Cauterらは睡眠不足により甘いもの、塩辛いもの、炭水化物の欲求が高まることを発表しました。 睡眠不足の人が欲求するカロリーは十分な睡眠をとった人と比べ、600kcalも多かったようです。その原因として ・ブドウ糖が脳のエネルギー源になるため、睡眠不足に陥ると炭水化物を欲する ・意識的に健康的な食品を選択する力が弱まり、高カロリーな食事を選択する傾向が強まる と考えられています。睡眠を削ることでより多くの時間を生活に充てることができるという感覚があります。ただ、カロリーの増加と引き換えにしてしまうのは健康的とは言えないですよね。睡眠を味方につけるこれまで睡眠不足による影響をお伝えしましたが、逆に言えば良質な睡眠で体重もコントロールできるということです。 生活リズムを整え、しっかり眠ることで食欲増進を抑えられたらいいこと尽くめですね。なかなか食欲を抑えられないと悩んでいる方はぜひねむりを整えることから始めてみてくださいね。引用文献Shahrad Taheri,Ling Lin,Diane Austin,Terry Young,Emmanuel Mignot(2004), Sleep Duration Is Associated with Reduced Leptin, Elevated Ghrelin, and Increased Body Mass Index.PLoS Med, Dec;1(3)The University of Chicago Medicine「Sleep loss boosts appetite, may encourage weight gain」 https://www.uchicagomedicine.org/forefront/news/sleep-loss-boosts-appetite-may-encourage-weight-gain(閲覧日2022/12/22)マシュー・ウォーカー (2018) 睡眠こそ最強の解決策であるぐっすり眠る習慣