柳沢正史教授監修・自宅で取り組める睡眠改善サービス「SOMNO+」はこちらノンレム睡眠?レム睡眠?「レム睡眠」や「ノンレム睡眠」という言葉をよく聞きますが、 どちらの睡眠時にも人は夢を見ています。 しかし脳を休ませている「ノンレム睡眠」時に見る夢は記憶に残りにくく、 鮮明度も低くなります。「レム睡眠」時は身体(筋肉)は脱力しますが、脳は活動している部分があるため、鮮明な状態で記憶に残りやすいのです。また、レム睡眠中は情動豊かな夢を見やすい特徴があります。悪夢の実態悪夢が心身に与える影響として、・熟睡感が得られない・精神的に不安定になる 等のことが挙げられます。また悪夢の発生要因は、・睡眠不足・中途覚醒(夜中の途中で目覚める)等、睡眠の質も要因となることが報告されています。熟睡が出来ないことにより、ストレスホルモン(コルチゾール)の 分泌抑制が出来なくなりさらに精神状態は悪化します。まさに悪循環、それこそ悪夢にほかなりません。では、本当に正体不明な悪夢は私たちの精神状態を反映するのでしょうか?悪夢のメカニズムとは?日中のストレス体験や嫌な事象は、負の情動刺激として悪夢に反映される場合があります。悪夢の発生メカニズムにはレム睡眠に特有の生理現象で、 自律神経活動の亢進や負の感情をつかさどる扁桃体が活発になることが関与していると考えられています。実際にコロナ禍を機に悪夢による睡眠不足の人は増えているそうです。この観点からも、心配事やストレスと夢の関連性はやはり否定できません。では無意識に起こっているこの事象を私たちはどう対処すればよいのでしょうか?悪夢の捉え方を変えよう直近のネガティブな出来事が、脳が処理するために夢として反映しているとします。悪夢は、現実で起こっている様々な心配事やストレスを脳がどうにかそのまま持ち越さないように、 早い段階で忘れたり解消しようとしている「一種の防御反応」と言えないでしょうか。そう考えることで、悪夢をまずは前向きにとらえる事ができますね。予防的対処法特にレム睡眠中は感情を司る扁桃体が活発になり悪夢の傾向が多くなったり、レム睡眠のタイミングで起床すると夢を覚えていることも多くなります。 例えば、眠る直前までスマホを操作するという感じで、交感神経活動が活発な状態で眠ると、起床準備を担うストレスホルモン(コルチゾール)が増え、中途覚醒が増加し、睡眠が分断されるため夢の回数が増える≒悪夢を見ることが増えてしまいます。また、寝る前に嫌なことを考えているとそれが夢に反映されやすいため、「経験をなくすことはできないが思考を変える」という捉え方で、眠る直前に敢えて夢の内容に取り込まれてしまうような思考を避けるのも1つです。例えば、就寝前にからだがリラックスできるようにひと手間加えるのが有効です。いつものお風呂に入浴剤を足す好きな香りで部屋を満たすホットアイマスクを目に当てる など就寝前に自分へのご褒美やリラックスできることを探してみましょう。現実での記憶が睡眠時に刻まれるなら、 自分を大切にできた記憶をできるだけたくさん刻み、良い夢を見たいですね。参考文献 :日本睡眠改善協議会(2019)基礎講座 睡眠改善学 第2版 (P38)